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①支援者はビジネスマンたれ

対談:支援者×利用者×雇用者

ザックリと!対談の内容はこんな感じ!

  • 就労移行支援事業所出身で現在特例子会社で働くMOがジョブコーチのF氏に、自身の定着支援担当についての不満を話す。
  • 当事者としては、就職後に「心配しています」「大丈夫ですか」の声掛けではなく具体的な対処方が欲しい。
  • 就労移行の支援者は「この当事者の方は今後、社会に出ていく」という前提で支援を進めていく必要がある。
  • 支援者は、復調期→安定期→就労移行期とフェーズによって支援内容を変え、単なる寄り添い方の支援ではなく、段々とビジネスマンとして自立するための支援を入れなければならない。

MO:元利用者のコミュニティ、グルーブラインがあって、そのやり取り中で、色々悩みなんかを相談してるんですね。で、評判があまりよろしくない支援者の方がいらっしゃいまして…、本当の名前を言っちゃまずいですけれども(笑)
ひどいというのが一つの話題になっているんですね。

私は定着について、それほど力を入れていなくて会社の定着支援の担当者がしっかりしていること、上司がジョブコーチの資格を持っていたりするので安心しているところがあるんです。
障害への理解もとてもありますし、定着自体の必要性もあまり感じられてはいなかったんですが…

F:でも、なんか会った時のために必要だよね。

MO:はい。ただ、その定着支援の内容が、MOさんは「体調が悪い」「体調が心配だ」しか言わないので、それに正直、頭にきてしまって(笑)

ストレスコーピングの資料として、4つの方法が書かれたものをネットからひっぱってきて、あとは体調の管理表を具体的な指標としてすり合わせたり、実践するものとして、この二つの資料を基に定着面談を進めましょう、という提案をしたんですね。

F:あはは。

MO:その方の言う体調不良とか体調の問題に具体性があまりにも欠けていたことに私は納得がいかなかった。
やはり、心配されるのはよくわかるんですが、前任の方もそうだったんですが、体調だけが心配だとおっしゃる。それはよく分かるんですが、それに対して具体的にどう対処しているか、そこへの理解があることを前提とした上で話を進めて行きたいなと思ったんですね。
で、結局のところ仕事を休んでしまった、体調が悪くて休んでしまった、という時にその取り組みは無視されて業務量を調整しましょう、となるのが私としては安易かなと思っています。
実を言うと私はそれが一番嫌で(笑)仕事がやりたいし、頑張りたいという気持ちがあるんですよね。
やはり自分としては正直なところ障害者という枠で考えた時に、意識や仕事の仕方を含めてFさんがおっしゃる2:6:2[※1] で分けたところの上位の2割の方にいたいし、いるつもりでいる、と。
やはりそのレベルで仕事をしていきたい人に対する支援としては「心配です」「大丈夫ですか?」という声かけに安心する、助かるっていうところではもうない。
もっと具体的な「対処法」を模索したい。

F:そりゃ、そうだよね。

MO:はっきり言ってそこは自分で考えていきたいし、自分で対処の方法を見つけていきたいし、主体的に学びたい。

ストレスコーピングについても、やってみてそれでもダメなようなら業務量の調整を最終手段にしたいという希望を伝えました。
当然なんですが、定着で支援していただきたいのはそのストレスコーピングの手段だったり、そこに対してアドバイスをもらったりということがしたい、ということだったんですね。
なので、それについての文句を言っていても仕方がないということで、こちらから支援の担当者に提案をさせていただきました。

正直、感情的になっていた部分もあるんですが、それを感情に任せて支援者の方にぶつけても仕方がないので、あくまで資料を使い、客観的な指標を持って、こういう風にできませんかという提案をしました。
3者面談で、うちの会社の定着の担当者もいらっしゃったので、こういう風な面談の方法もいいんじゃないかということの提案も含め。

その方がね、やっぱり建設的というか生産的というか、そういうことができれば 少しずつなんですけども支援者の方の意識もこちらに寄ってくるし、変わってくるのかな、と。理想論かもしれないですけどね(笑)

F:そうね。支援者の方に対して思う事っていうのはやっぱりフェーズの中でどこのフェーズを得意とするか、って分かれるものがどうしてもあって、例えばその・・・「思いっきり今が、傷病中エピソードナウ」みたいな状態の方、そこからの復調期を得意とする支援者の方。

どちらかと言うと依存者型の支援者の方で、「一緒に居るよ。ついてるよ。大丈夫だよ。」って言ってくれて後押しをしてくれる方で、それが上手な人っていうのはいらっしゃるのだけど、復調期から安定期に入って一般的な就労支援の担当者の方っていうのは、今度は体調維持が目的になるから、役割が変わってくるし、目的も変わってくるし、ってなるわけですよね。

そうすると必要なアドバイスや、一緒に管理をしていきましょうっていう内容も違うじゃないですか。
例えばどこでストレス刺激を受けるんですか、とかエピソードのトラウマってどれだろうとか…。

MO:はいはい。

F:そういうのを一緒になりながら、どうやって打ち勝っていこうとか、そのアイデアを一緒に出していきながら、あーでもない、こーでもないと、いう風な感じで、ドラえもんのポケットみたいな感じで出していきながら一番合う「これだ!」っていう道具を出して それを武器にして、次の就労に進もう!みたいなことが本来、安定期の支援者がやることだと思うんですよね。

今度、就労ってなると、就職をするっていう風になると社会性が定義に変わってくるので、要は社会に順応するための能力を身につけてもらうってなると、ここら辺からだんだん支援者はビジネスマンになってくれないと駄目だなーって思うんですよね。エピソードのトラウマってどれだろうとか…。

MO:いや~おっしゃる通りだと思います。

F:ですよね。だって社会に参画してくるんだから、社会の考え方を入れなくちゃいけない。

要は自分が思っている異常性と常識の違いを一個一個、「そこは違うよ。それは異常じゃないよ」っていうのを分けながらやっていくとか、それこそ履歴書の書き方にしても、言いたいことばっかり書くんじゃなくてっていう話だったり、

働くっていう目的の後のことを見据えた支援・指導っていうのが、多分圧倒的に弱いかなって私は今、見ているんですけれども・・・。そのためのフェーズなので何かそこは

MO:全体的に弱い・・・ ですよね。

※1
Fさんが思う、障害者雇用における、仕事のできる/できない、の感覚的なレベルの割合。
上(できる)、下(できない)はともに2割と少なく、その中間の6割にほとんどが属しているという認識。