【この記事はこんなことが書いてあります】
- 双極性障害の躁と鬱、それぞれの境界線を知ることは難しい
- 鬱の境界線は段階を設定して、最悪の状態になる前に対処している
- 躁状態のいいところを活かすため、躁の境界線を広げていきたいがリスクはある
- リスクを回避するためには、気分に捕らわれた行動をせず、フラットな状態の行動に寄せる必要がある
マンガの話からスタート!
いきなりですが、マンガ『スラムダンク』を読んだことはありますか?
国民的マンガなんて言われていますし、かなりの方が読んだことがあると思いますが、こんなシーンがあるのを覚えていますでしょうか?
主人公、桜木花道が所属する湘北高校と、県内のライバルチームである陵南高校がインターハイをかけた一戦での一コマです。物語のハイライトの一つです。
陵南のキャプテンである魚住純は、あと一つファウル(反則のようなもの)を取られたら退場になる状況に追い込まれ、普段のアグレッシブなプレイができなくなります。
魚住はチームが劣勢でもう後がないピンチに追い込まれたとき、はじめて自分でファウルとアグレッシブなプレイの境界線を引きます。その後、追い詰められた状態であるにも関わらず、集中力を研ぎ澄まし、ファウルぎりぎりのファインプレーを連発します。
最終的に陵南は負けてしまいますが、不器用な魚住が努力に支えられた才能を見せる胸が熱くなるシーンです。
こんな魚住が引いた境界線について、双極性障害の方ならピンとくる方も多い、ですかね?(笑)
そう、今回は躁と鬱の境界線についてお話します。
躁と鬱の境界線はあるのか?!
どこからどこまでが躁で鬱なのか……寛解状態とはいつなのか?双極性障害の方なら一度ならぬ、何度も考えたことのある問題だと思います。
ただ、人それぞれ境界線は違いますし、それに拘りすぎると日常生活が疎かになる気さえします。
だから、私はこの躁と鬱の境界線について、あまり固執し過ぎないようにしています。安定するために境界線を引くのだと思いますが、例外として境界線を越えてくる出来事は必ずあります。
境界線があるから安心だと高を括っていると、その反動のショックやストレスが大きくなるのも固執し過ぎない方がいいと思う一因です。
それでも、境界線に対して非常に主観的な目安というのは、一応あります。
特に鬱に関しては、心身の特徴的な状態を段階で分けています。緊急事態Lv.1、Lv.2……のように(笑)
曖昧な基準ですが、私はだいたいLv.3くらいまで設定しています。Lv.3の状態は……悪夢です(笑)
心身のモニタリング精度が低い私でも、鬱状態の不調の現れはよく自覚できます。当たり前ですが、不調の記憶はよく頭に残っているのでしょう。いろんな角度から考えることで良い選択につながると思います。
躁の境界線をギリギリまで広げる
それに対して、躁の境界線について、一般的に躁状態は本人の自覚がなく、エスカレートすると人間関係を壊す、金銭的な痛手を負う、反動で必ず鬱状態がくるというリスクが大きく取りざたされます。
双極性障害は躁状態のコントロールが課題と言われるくらい難しい問題です。
ただ、私は先に上げた転職の記事のように、将来の目標へ加速するためなら躁傾向を自分の長所として活かしたいと考えています。
双極性障害の診断を受けた人なら、誰しもが思う理想。躁状態をうまくコントロールして、日常生活や仕事に活かす!
この点について、転院した精神科の医師のアドバイスを聞きながら、もともとの資質とも捉えられる行動力や瞬発力、想像力を活かして自分らしく生きていく方向を模索しています。
今の主治医は「病気は自分で治す」というスタンスのもと、主体性を尊重してくださるので、私のような我の強い患者(笑)の意見も、ある程度受け入れて、アドバイスがいただけるのが大変ありがたいです。
ただ、このスタンスを取ると、下記のようなリスクが伴うと思います。
躁状態の境界線にいることのリスク
①反動の鬱が怖い
いいところ活かすため躁をコントロールしますが、できなかったときの反動が怖いです。今まで生きてきて、2~3年突っ走り、アクセル踏みすぎて走り切ってしまえばエネルギーゼロ。
数ヶ月間、無職になる。そんなことを繰り返しました。
同じ職場で5年以上定着できなかったのは、躁の反動の鬱が原因としてあったのかもしれません。
②周囲の人に迷惑をかける
躁に近い状態のエネルギーがコントロールできず過剰になれば、当然、周囲の人を振り回します。
だから、できるだけ自律心の強い人が側にいて注意してくれるとありがたいのですが、そんなわけにもいかないですよね(笑)
経験則では、エネルギーが高まっているのに行動に移せず、周囲の人との温度差が生まれた時に対人トラブルにつながりやすいので、働き方と日常生活も調整できるのが理想です。
ただ、殊に仕事に関しては裁量を持って仕事ができるフリーランスであれば①②のリスクはほとんどないと思っています。
双極性障害のパーソナリティを活かすために必要なこととは?
最後に一点。気を付けていることがあります。
それは、衝動的な行動が(長期的にも)マイナスにつながる予想ができたときは自重するということです。
最近「直感」に従って行動することが、一番幸せに直結しやすいという研究を目にしました。私は躁の境界線で自分のやりたいことをしているとき、心と身体の直感が磨かれているとプラスに解釈しています。
だからこそ、イライラや攻撃性が強くなったときは無理をせず、それを無害な方法で出し切ります。
例えば、他人に絶対に言ってはいけないトドメの一言。
躁状態でこれを言って人間関係を壊したことのある方は多いかと思います。当たり前ですが、人間関係を壊したい人なんていません。
そうなる前に最後の一言を言わずに踏みとどまる。
罵詈雑言を紙に書いて破り捨てるなど、代償行為はいくらでもあります。
行動本位 > 気分本位
気分に任せて行動せず、フラットなときに取る行動を選択する。
これは主治医からのアドバイスの中で白眉で、目から鱗が落ちました。
躁状態の境界線に立つ人が心に留めておくべき一言ではないでしょうか。
※あくまで個人的な認知、感覚によりこの選択肢を取っているので、実践するには十分気を付けて、特に主治医には問診で伝えてから行動に移すようにしてください。
スラムダンクを読み直そう!
将来的には魚住のように不器用ながらも躁の境界線をファウル一歩手前のギリギリまで広げ、アグレッシブに人生を謳歌したいものです。陵南は負けたし、なんか凡人キャラだし、板前さんになっちゃうけど、そんな魚住が私は好きです!
私は、組織の主役になれなくてもいいのです。この話の主役であれば(笑)
わかる人にはわかるネタ!
オチまでの流れがあまり鮮やかでないスラムダンク好きの記事でした(笑)