障害福祉の通所施設で就労の支援をしている方などは、このタイトルを見て「あるある」と思っていただけるのではないでしょうか。
「あるある」は複数ある?
「あるある」といっても、その「ある」の視点は複数あるように思います。
就労に関わる通所施設には、「体調が悪いので休みたい」という連絡が施設に入ると「病院に行って、大丈夫なら来てください」「午前は休み、様子を見て午後から来て下さい」「面談の一時間だけでも来てください」と…
“とにかく来い”と通所を促すところもあります。
(もちろん、もっとオブラートに包んで伝える支援員もいますけど)
とにかく来い!には理由がある
これには二つの観点があります。
一つは、就労すれば「簡単に休めない」ことが実態としてあります。もちろん当事者の方からしてみれば本当に具合が悪い時もあるでしょう。
でも中には「なんか調子悪いなー、休もー。」と“自分の体調と向き合う”ことをせず休むと決めてしまう人がいます。
実際に企業で理由もよくわからず休んでいたら、解雇の可能性も否定できないと思います。
どこが具合が悪いのか、本当に行けないほどの調子の悪さなのか、当事者の方に“体調の悪い自分について考える”機会を与えたいという思いから、通所を促すという観点。
とにかく来い!のもう一つの理由…
二つ目は、利益の観点です。
施設は、その人が”来る”ことによって、1日◎◎円といった単価で国にお金を請求でき、それが売り上げとなります。
1時間でも、とりあえずくればお金になるのです(これは時間軸にするなど改定の検討があるようですが)。
つまり、一つの事業として売り上げをあげるために“何が何でも来させたい”という思惑があるのです。
二つ目の観点が一概に悪いとは思いません。
利益を上げなければ事業は成立しないし、潰れれば訓練しているすべての方だけでなく、支援員も路頭に迷うことになると思うからです。
ただ利益をメインに考えると”無理にでも来させろ”というニュアンスで上役から教えられるため、本人の気持ちを度外視する形になり、それに疑問や不満を持つスタッフもいらっしゃると思います。
真意が見えにくくなることが問題
当事者が本当に体調が悪いのか?が支援員に見えずらいように、支援者が本当に自分のことを想って言っているのか?も同じように見えずらい事のため、クレームにつながるケースも少なくありません。
ここは対等に考えていくなら、当事者の方も具合が悪いだけではなく、どのように具合が悪いのか、いつからなのかなどわかる範囲で伝える気持ちが必要ですし、スタッフも「休んだほうがいい」と”引く気持ち”が重要です。
ひとまず当事者の方には、体調をわかる範囲で伝えてみて、どんな対応ややり取りをしてくれるかで、どんな思いでスタッフが当事者の方と向かい合ってるか判断されてもいいのかなと思います。
意外となかなか休ませてくれないスタッフほど激アツにあなたのことを考えてくれているかもしれません(笑)